仕事が終わるちょっと前に同じ事務所で働いているOさんが「お先に」っていってエレベータに向かった。事務所はビルの6階にあるのでエレベータが来るまで最大でも2分しかかからない。なので私が書類や日報を片付いて事務所を出たらOさんがまだエレベータの前で立ち止っているのを見たらびっくりした。Oさんは優しい方だけど先輩(上司?)なので普通は仕事についてしか話さない関係だけど今回はOさんがちょっと恥ずかしそうに笑って言った。
Oさん: 「今着替えている男を見た。」
私: 「へえ?本当ですか?!エレベータの中で?」
Oさん: 「そう。夢だったのかな。。。」
私: 「もしかしたら変態。。。ですか?」
Oさん: 「いや、わからない。」
私: 「...」
Oさん: 「...」
私: 「ええと、服は全然着ていなかったんですか?」
Oさん: 「ん、上半身は服を着ていなくて下はパンツだけだった。」
私: 「...」
Oさん: 「...」
私: 「まあ、今なら済んだでしょうからもう一度トライしましょうか?」
Oさん: 【頷く】
ボタンを押す私。30秒程度かかるエレベータ。開けるドア。。。
そして、着替えていた男はいないようだ。然しエレベータの様子が変だな。。。
何か床に落ちているよ!ちょっと待って、携帯電話が落ちとるし、カーペットが泥で汚れてるよ。
その匂いは。。。臭っ!What the fuck?!! なんてこった?!
床のあっちこっちは糞便にまみれてしまっていた。
臭くて汚くてエレベータに入れなかった二人だった。
Oさん: 「漏らしていた...最低...」
私: 「...」
Oさん: 「ありえない...」
私: 「警察に出せる証拠として携帯電話を取ったほうがいいかな...」
Oさん: 【無口でショックを受けている様子】
そして扉が閉まった。部長さんが私達の声を聞いて何が起こっているかを聞く。Oさんは着替えている男がいたってことを部長さんに説明して、部長さんが「(自己防衛の為に)棒を持ったほうがいい」って言い出す。Oさんが糞便にまみれていることも説明して、私は変なことにそれを説明せずに済んだことをありがたく思った。事務所の他のスタッフに「帰宅する時はエレベータを絶対に避けたほうがいいです。階段で降りてください」とアドバイスをあげ、日本語が少ししか出来ないカナダ出身のAさんは周りの大騒ぎを見て心配して私に聞く。
Aさん: 「Is there anything I can do to help?」
私: 「Uh, not really, I guess. But when you leave work, you should definitely take the stairs.」
Aさん: 「Why, what happened to the elevator?」
私: 「Well...first Oさん saw a half-naked man changing in the middle of the elevator...」
Aさん: 「Oh God.」
私: 「...So she let it go without her, and when the doors opened again, the elevator was...」
Aさん: 【目を皿にしている】
私: 「...I mean, somebody had defecated all over the elevator...」
Oさんともう一人女性スタッフと6階から1階まで降りて、横道を歩いてビルの正面に着く。1階にある新聞配達業者の方々が落とされた形態を持ち話し合っている。Oさんの反応からは男がいないことが分かった。Oさんしかその男を見ていないらしく、40代~50代のスーツを(部分的に)着ていた男のようだ。知っていることを教えてから駅に向かう三人。
Oさん: 「我慢できなかったのかな。」
私: 「そう思いますか?我慢の問題の筈が無いと思いますけど。。。」
Oさん: 「忘れよう。今日給料日だったので買い物をして忘れようとしたい。」
私: 「はい、お疲れ様です。」
って言った私だったけど、そのような馬鹿げた事件の後、どういう風に別れ挨拶をすればいいだろう?いつも通りの挨拶にしたけど、後でもう少し陽気な言葉にすればよかったのにと後悔していた。でも先輩(上司)だし、「大変でしたね。直に忘れるといいですね。」などは不適切かもしれないし、やはり簡潔にしてよかったと思う。
この世の中に色んな人がいることはいいことだと思うけど、これから一度もエレベータで他人の糞に出会わないことを深く祈っております。